福岡高等裁判所 昭和28年(う)742号・昭28年(う)743号・昭28年(う)744号 判決
爆発物取締罰則第三条の爆発物所持の罪は同罰則第一条の目的を以て為された場合に成立し、同罰則第六条の爆発物所持の罪は右目的に出でなかつたことの証明はないがさりとて当該所持者において右目的に出でなかつたことを証明することもできない場合に成立するものであつて、両者とも爆発物所持の事実を客観的構成要件とする点においては全く同一であり、只前者は原告官に主観的構成要件たる前記目的に関する立証責任を負わしめ後者は当該所持者たる被告人に同目的がないことの反証責任を負わしめている差異があるに過ぎない。而して、前者の罪を訴因とする公訴に対する被告人側の防禦方法の中には後者の罪に対する防禦方法も当然に含まれるわけであるから、前者の罪を訴因として公訴が提起されたのに対し裁判所が後者の罪を認定処断するに当り特に訴因変更の手続を為す必要はないものと解するのが相当である。従つて原判決には所論の様な訴因変更に関する訴訟手続上の法令違反はなく右論旨も亦理由がない。
(後略)